昨年『日本の自転車泥棒』でお世話になったパグ・ポイントさんから総支配人のところへ電話が入ったのは今年のはじめ。
「新しい作品が出来ますので、シネマテークさんでも上映頂けないでしょうか。」という。
『日本の自転車泥棒』は とてもとても、不思議なかつ<ユニーク>な作品で大規模映画には出来ない、たぶんもち得る事の出来ない新鮮さと研ぎすまされた感性がビシビシ伝わって来るすごい映画だった。その制作を手がけた映画会社が次回作のお知らせをくださり、それは2人の詩人が監督をし、香川照之さんと尾野真千子さんが主演されるという。
撮影開始間もないころでまだ全編出来上がっおらず、プロモーションVTRを魅せて頂き一気にこの作品への期待が高まりました。
どんな作品になるんだろう。
どんな映画になるんだろう。
後日、届けられたチラシとポスターに一瞬目がくらみました。
え?これだけ?
というのが正直なところ。
写真映画 と銘打って出された宣伝展開、ポスターは絵柄を使わず、2色の色使いと文字だけ。
チラシは裏を返せば画像が出てはいますが、ファーストインプレッションは あの2色と文字。
いわば、違うジャンルの人が映画の世界との融合を見せようとした画期的な企画もの映画なのだろう だから そうしたんだろうと、
最初はそんな風に思っていました。
美しさを追求した映画で、どちらかと言えば アート系作品 と呼ぶべきものになるんだろうと。それを どちらかと言えば期待していたのです。
写真映画 というキャッチフレーズを 丁寧に事前に観客に知らせる事の意味合いがそこにあるはずと思っていたわけで、つまりそれは 普通の映画と思って来たら肩すかしにあってしまう人が入るかもしれないから、いちお、そうじゃない事を先に言っておこうか 的な
ものかと 私の頭はそんな風に考えてしまったのですけれども。
ちょっとした勘違いをしていたみたいです。
手法は違えど、映画であって、心に心地よい余韻を残す、
どちらかと言えば、その余韻を残したり
感情と言葉と映像のあいま を 自分で辿っていく作業をしやすくしてくれる やわらかくあたたかな作品。でした。
そして、写真映画 という新しい<ジャンル>でもあるのかと。
そして、監督が このお二人であったからこそ出来た形であり作品であると思うのです。
映画がいいのですがなんといいますが、写真が(通常映画に対して言うならカメラが)いい!
当たり前ですれど…。
ということで。
あろうことか、この映画を観終えた後に
この作品を紹介しようとした映画会社さんたちの意気込みと戦略と
愛情を 理解したのでした。まだまだ修行が足りません。
あえて内容には触れません。
皆さんの心で感じて頂く事にさまざまな『ヤーチャイカ』が
完成されていくのだろうと思うので。
この素敵な作品を なんと東京公開と同時に群馬のこの小さな映画館に出してくださるという素敵なプレゼントもついて、昨日の公開日を迎えたのです。
お客様には関係のない事かもしれませんが、嬉しいのでわざわざいいます。
東京公開と同時にスタートです!!! すごいっす。
すごいんです。皆さん。この映画を日本中のどこよりも最初に見られるチャンス!ですから。
是非。足を運んでください。
絶対損はありません。
しかも今日は監督の谷川俊太郎さん、覚和歌子さん、主演の香川照之さんがシネマテークたかさきにお越し下さいます。お忙しい皆さんが駆けつけてくださるとは恐縮です。嬉しいです。
おかげさまで舞台挨拶の回は2日前に全席満席となりましたが、
映画は2週間上映しております。是非、ご覧頂きたい逸品です。
それから、ちょうど。
今、高崎は 全国都市緑化ぐんまフェア終盤戦。
高崎シティギャラリーでは、<谷川俊太郎 ことばとアート展>を開催中。
とても素敵な展示会になっています。
映画の前に、映画の後に 是非是非お立ち寄り下さい。
皆様のお越しをお待ちしております。
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