フォトアルバム
Powered by Six Apart

最近のトラックバック

 

« 2008年7月 | メイン | 2008年9月 »

全国コミュニティシネマ会議

 本日より、全国コミュニティシネマ会議なるものが、2日間の日程で仙台で開催されています。
これは、全国のミニシアターや上映団体が参加し、今現在抱えている問題点を共通理解したり、より良い上映環境を整える為に皆で一緒に考えようというものです。そもそもは、映画上映ネットワーク会議という名称でしたが、ここ数年のコミュニティシネマ構想が発展するとともに名称が変更となりました。
 毎年様々な事が話し合われ、実戦に向けていきますが、今年の最大の目玉は<シネマ・シンジケート>についてです。

 全国のミニシアター、既存映画館、地域型シネコンといった「街なか映画館」が集まり、館主が観客に見て欲しい映画を選定し、<<たいせつに>>上映していこうという取り組み、です。

 この構想をどのように実践していけば充実し、実のある物となるかということが議題となります。私も明日のみですが、参加してきます。新たな試みが、お客様へどのような形になって届くのかまだまだ試行錯誤、暗中模索段階ですが、私も頭をしぼって考えて行きたいと思います。

 シネマ・シンジケートについては追ってお知らせしていきたいと考えています。

 さて。
明日からいよいよ、『歩いても 歩いても』が始まります!!
県内独占上映です。心温まる家族映画であり、本当に本当にたくさんの方々にお届けしたい大切な大切な映画です。
日曜日には是枝監督にもお越しいただきます!是枝監督はなんと明日の全国コミュニティシネマ会議でパネリストとしてご登場になるのですが、その足で翌日はシネマテークたかさきに来て頂くという、強行スケジュール。お忙しい中、シネマテークたかさきには 是非に といってくださっての舞台挨拶です。
 13時の回はすでに定員に達しており、受付終了しておりますが、15時30分の回は若干数残っています。どうぞお早めにご予約ください。
 舞台挨拶以外ももちろん、みなさま是非是非お誘い合わせの上お出掛けください。お待ちしております。


<かろうじてつながる家族>

 23日付け、朝日新聞朝刊に上記タイトルの記事が載っていました。Gururi 
『ぐるりのこと』橋口監督、『歩いても歩いても』是枝監督、『トウキョウソナタ』黒沢監督の三作品をもって、現代の家族の肖像を見ています。
 日本映画界を担い、作家主義と枠付けされる監督たちの注目作であり、それぞれに色合いは違えど独自の作風と視点で家族を見つめ描きあげます。どれも秀逸な<映画>です。
  Aruitemoe
 シネマテークたかさきでは 『ぐるりのこと。』が終了し、土曜日からは『歩いても歩いても』が登場します。冬にはもちろん『トウキョウソナタ』も予定しています。まさしく目白押し。

 31日には是枝監督にもお越しいただく事になりました。映画にまつわるエピソードなどたくさんにお話を伺いたいと思っています。是枝監督にT0006316お越しいただくのは2年ぶりです。2006年の7月にシネマテークたかさきで、その後、玉村町自主企画実行委員会の方々が、『花よりもなほ』の上映を群馬県立女子大学で行った際にも是枝監督には群来頂きました。思えば、その時の質疑応答で、今後撮りたい作品は?と聞かれた監督がお答えになったのが<家族の物語>でした。
 四つほど頭に浮かぶ企画を次々とお話ししてくださった是枝監督が、「でも家族の物語をまず最初に撮りたいと思っています」とおっしゃった口調が、何か心にしっかりとしたある想いがあることを伝えていました。
 2年後、私たちは『歩いても 歩いても』と題されたこの温かくすばらしき映画に出逢うことになります。是枝監督にしか撮れない・表現し得ない『花よりもなほ』の後に、また違った手法である家族の物語が紡がれます。
まるで自分を見ているような、自分の親の姿を見ているような、そんな気持ちになり、この2時間を映画とともに生きた気がしました。

 多くの方のご来場を心よりお待ちしております。

つれづれなるままに

 本日『動物、動物たち』村山匡一郎氏によるスクリーントークがありました。
これまでも数度お越しいただいておりますが、今回もまたとても有意義な時間でした。村山さんの率直な『動物、動物たち』にたいする印象から話しは始まり、ニコラ・フィリベールの人となりを垣間見せるエピソードや、ドキュメンタリーとは何を持ってしてそういうのかに渡るまで、幅広くそして面白い話しをお聞かせ頂きました。映画は見た人の物であって、私もそう思う一人ではありますが、こうしてじっくりお話を聞く機会があるというのは、自分のチャンネルを更に広げる一手になります。とてもとても楽しくためになる時間でした。お越し頂いたお客様もそう思って頂けたのではないかと思います。村山さんお忙しい中ありがとうございました。お越し頂いた皆様もありがとうございました。次回もどうぞお楽しみに。

 さて。本日、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』上映が終わりました。シネマテークたかさきではどうしても上映したかった作品、そしてお客様に是が非でもお届けしたい作品でした。
上映に行き着くまでに正直様々な壁にぶちあたりの上映でしたが、
多くのお客様にお越しいただけました。この場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。
そして。ますます、これからも皆様にお届けしたい作品、それから望まれる作品を一つでも多く上映していきますのでどうぞお楽しみにお待ちください!

博物館の秘密

 

16日からスタートした『動物、動物たち』は、パリの国立自然史博物館の一部を大改修した際にその模様をカメラに収めたドキュメンタリーです。この映画を上映するならば!と、7月のある昼下がり、富岡にある県立自然史博物館に行ってまいりました。本当は、この上映に際して博物館の学芸員さんにお話が聞けたら楽しいかも!という目論みもあり、あわよくばお越しいただけないかとお願いに行ったわけなのですが、夏休みと言えば当然目も回る忙しさ…。ということで、願いかなわず…。
でも、久しぶりの博物館をだいぶ堪能してきました。Bild

平成8年10月に開館し、つい先日の8月8日には開館以来の入館者が200万人に達したとか…。すごい数字です…。
 今回足を運んだのがおそらく4回目、だと思うのですが常設展もしばらく行っていない間に新たな展示物も数点。時間の関係でかなり自分的には足早に見たつもりですがたっぷり1時間半かかりました。いやあ、見事。見応え十分。

 『動物、動物たち』を見た後なので尚更、今までと違った感覚で展示物を眺めることも出来ました。どれだけの人の手が、この展示の際に入っているのか、この羽1枚1枚をどうやってはりつけたのか、剥製はどうやって作られたのか修復されていったのか。昆虫たちはどうやってピンにさされたのか…。思い出しながら、まじまじと見つめていくと、物が作り出されて形になることの不思議と壮大な時間の流れに圧倒されました。
 もちろん。恐竜たちの変遷や、人間の進化、群馬の生物たちの生態も改めて勉強になりました。

 映画を観るとまず、目を引くのが動物たちがどのようにして甦っていくか、という作業だったのですが、同時に気になるのはやはり、人の姿でした。そして、実際に博物館へ行ってみて、思ったのも人の魅力。
 何度となく学芸員の方達がスタッフルームからなにやらたくさんの書類を抱えて出て来たり、足早に展示コーナーを通り抜けていく姿を目撃しました。知的なムード漂う足取りでドアをすり抜け展示室の角へと消えていきます。あのドアの向こうにたくさんの秘密が隠れているような気がして、思わずじっとその動きを見ていました。頭の中を歴史や自然や環境がうごめいているんだろうなと思うと、いつかやっぱりお近づきになりたい!いろんな話しが聞いてみたい!と、次回の上映とのタイアップをどうにかひねり出してやろうと思ったのは言うまでもありません。

  さて。映画の話しに戻りまして、この映画をもっともっと楽しんで頂きたい!と企画したのがスクリーントークです。22日の10時20分の回の上映では映画研究家の村山匡一郎さんに『動物、動物たち』を題材にお話しして頂きます。いろんな切り口で映画を楽しめること受け合いですので、是非是非この機会にご鑑賞ください。Doubutsu2

そしてお時間ありましたら、群馬が誇る自然史博物館へも是非。



 

  

接吻と動物たち…販売物のお知らせ

1006620_01 『接吻』 『動物、動物たち』8月16日(土)いよいよスタートです。

『接吻』のパンフレット(700円)は限定20冊のみの入荷です!!ご希望のお客様はお早めにお買い求めください!

また、『接吻』の万田邦敏監督による前作『UNLOVED』(8/23公開)に関連して、

2007年大分県で開催された自主映画祭『聖なる映画祭』での、万田監督と映画批評家・中原昌也さんが『UNLOVED』について対談された内容を採録した書籍(1,500円)を販売します。

書籍の内容は『UNLOVED』だけに限らず、小津安二郎、カール・ドライヤーなどについて、映画研究家の村山匡一郎氏や大分シネマ5の田井肇氏による対談の様子も採録してあります。

すべて手作りの書籍です。ご来場の際には是非お手にとってご覧ください!

また、『動物、動物たち』は都内での「ニコラ・フィリベール監督特集」のパンフレット(1,000円)となります。

:::::::::::::今週の販売物★

『幻影師アイゼンハイム』パンフレット…600円

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』パンフレット…700円

『動物、動物たち』に関連して、

「ニコラ・フィリベール特集」パンフレット…1,000円

『接吻』パンフレット…700円(限定20冊)

『接吻』と、8/23公開『UNLOVED』に関連して、

書籍「聖なる映画祭 トーク採録集」…1,500円

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド   <OIL>

 いよいよ、本年度洋画ベストワン!と言い切っていいでしょう。18
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』がスタートしました。

 1920年代に書かれた小説『OIL』が現代に映画として姿を現したわけですが、
人間の情や欲というものは様々に形は変われどもいつの時代にも確固として<在る>もので、
それを見事に映画に封じ込めた一級品です。

 強欲、悲しみ、怒り、不安 カリフォルニアの広大な土地にそれらが ぐるぐると渦巻いていくのです。

 監督はポール・トーマス・アンダーソン。
『ブギーナイツ』で一躍その名を轟かせ、『マグノリア』でその地位を確立したかと思えば、『パンチドランクラブ』なるセンスの良い恋愛ドラマも描きあげる、その時々で実に柔軟に自分の感と技量を遺憾なく発揮出来る監督のお一人と思われますが、今回挑んだ大作は見事な花を咲かせています。

 古典的な映画の魅力と、同時に全く古めかしくならない鋭さのある映像と、その映像を更にもり立てる奇怪なそれでいてはまりにはまる音楽(レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが担当!!)、唯一無二の空間を造り、ダニエル・デイ・ルイスが、ポール・ダノが素晴らしき迫真の演技で魅せきる2時間40分。

 あっ         という間に映画が終わってしまいます。驚きです。
たくさんの興奮が体中を駆け巡りながら映画館を後にすることでしょう。

語り尽くせる映画ですが語り過ぎてはならないと思うので、詳細には触れません。
ですが、ぜ ひ と も  ご覧いただきたい。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』8月22日金曜日までの上映です。

  お待ちしています!!

遅ればせながら でも 遅いことはない

 遅い遅いアップとなってしまいました。8月2日から『ひめゆり』が始まりました。

この映画の公開にはたくさんの方々の助けとご協力を頂きました。そのおかげで、初日には元ひめゆり学徒の与那覇百子さんに 劇場にお越しいただき、上映後に講演をして頂きました。素晴らしい出会いでした。会場にお越し頂いたお客様ありがとうございました。そして、この上映にご尽力頂いたIさんご夫妻、ねこさん、Sさんご夫妻、柴田監督、大兼久プロデューサー、宣伝担当の富士さん、皆さん本当にありがとうございます。すてきなすてきな上映初日でした。Dscn2307
 そして、初日2日目と、多忙を極める中でありながら、柴田監督は2日間舞台挨拶にたってくださいました。やわらかく、それでいて、言うことはっきりおっしゃる姿に一層の感銘をうけました。

 今回の上映で『ひめゆり』を観るのは3度目になりますが、百子さんと柴田監督のお話を聞きながら、改めて思った事がありました。
それは、何事にも もう遅いという事はない ということ。
それから、物事はすべて有限だ ということです。
 日常生活の中でも、つい、もう遅いな、とか今更だよな と思う事が多々あります。そういった場合大抵それを理由にやろうとしていることを止めてしまいがちですが、リミットを自分でつけてしまっている事の多さを改めて実感しました。しかしながらもちろんの事、本当に遅すぎる事はあります。物事にはすべて限度があるからです。
 自分で自分にリミットをかけない、生きる事の誠実さはそこにあるんではなかろうかと、生きる事に向き合い続けて来た百子さん、柴田監督の姿に教えて頂いたような気がしました。
 『いのちは有限なんだ。』という柴田監督の言葉がずうっと胸に残っています。

 『ひめゆり』は昨年の3月に東京で公開されました。ロードショー公開を経た作品が1年後また劇場で全国展開されていくというのは珍しいことですが、この作品はそれだけ<今を生きる>映画なのだと思います。
 経験者が経験したことを語るには想像を絶する苦しみがあると思いますが、言葉を受け取る側にも勇気がいります。双方の勇気をきちんと受けとめる為に、この作品はDVD化はされません。映画として、送り手と受けての顔がきちんと見える状態で伝えていく作品だと皆さんが認識されているからです。足を運んで映画館にお越しいただけたら嬉しいです。
 シネマテークたかさきで1週間上映しています。8月8日までです。未見の方、是非お越し下さい。一度ご覧になった方、その感想をまだ見ぬ方へお伝えください。一人でも多くの方にこの作品が、おばあちゃんたちの言葉が届くことを願っています。

 映画館での上映には、期限があります。しかしながら、もしこの作品をもっと多くの人とみたい、みせたい と思う方がいらっしゃいましたら、是非シネマテークたかさきまで、ご連絡ください。上映のお手伝いをさせて頂きます。どうぞよろしくお願いします。