フィッシュストーリー 「原作もの」の楽しみ
7月4日より上映が始まりました『フィッシュストーリー』。いま数々の作品が映画化されているベストセラー作家、伊坂幸太郎原作の作品です。
いわゆる「原作もの」の映画を観るとき、皆さんは小説既読派、未読派、どちらでしょうか?私はなるべく原作を読んでから映画を観たい方です。頭の中のイメージが映像になってどんな風に動くのか、また原作がどのようにアレンジされているか・・・わくわく期待しながら観るのが楽しみです。でも、原作のイメージに近い作品は結構少ないもので、好きだったシーンや登場人物がカットされていたり、反対に余計な設定が加えられてイメージが違ってしまったり、がっかりしてしまうことも時々あります。
さて、ただ今上映中の『フィッシュストーリー』はどうかと申しますと・・・原作は単行本の中で51ページしかない短編です。そして、映画は、この短編からよくこんなにイメージが膨らんだなあ!と驚いてしまうくらい、いきいきしたステキな作品でした!原作とは違った設定だったり、付け加えられた部分もあるのですが、それが決して余計な付け加えにはなっていなくて、映画ならではのエピソードとして面白いのです。ラストには、ちゃんとまとまって、爽快なエンディングになっています。それに何よりもキャスティングが最高にはまっています。「原作もの」としては、かなり原作ファンも楽しめる作品になっているのでは、と思うのですが・・・どうでしょうか??
そして、実は原作以上かも・・・と思ってしまったのが、劇中のパンクバンド”逆鱗”と、映画のタイトルでもある彼らの曲『フィッシュストーリー』です!原作ではほんの数行しか出てこない歌詞から、ちゃんとした、かなりかっこいい1曲が出来上がっていて、バンドもかなり本物っぽいです。「僕の孤独が 魚だったら・・・」の不思議な歌詞が観終わった後も何度も浮かんでくるくらいです。原作のイメージ以上に、音楽と映像が加わって、すごくリアルな実在のバンドになりきっていました!
映画の最後のエンドロールで、キャストを注意深く見ていると、えっ、あの人が出ていたの??とびっくりするようなサプライズゲストが脇役で出演していることに気がつきます。どうか最後まで気を抜かないでしっかり楽しんでご覧ください!!
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