« 横浜監督舞台挨拶 其の三 Q&A編  | メイン | 明日から高崎まつり!そして青森まつり! »

2009年7月30日 (木)

動くな、死ね、甦れ!

Photo_3   『ウルトラ~』をご覧になった方は、独創的で奇想天外な横浜作品が生まれる源は一体何なんだろう?と思いませんでしたか?

私は、もう、それに興味津々で、一体全体、監督は、今までにどんな映画に影響を受けてきたのだろう?それを知りたくなった時、こんな記事を見つけました。

「撮影前、儀式のように観るのは、カネフスキーの『動くな、死ね、甦れ!』なんですけど、あくまで自分の作品は別ですからね・・・」(TVBros.2009.5.30)

「自分が映画を撮る前にいつも見るのが、カネフスキーの『動くな、死ね、甦れ!』なんです。ドキュメンタリーとフィクションの境目を常に縦横しているような生々しさや、その瞬間を捉えている映画だと思います。こちらで作り込んだものを役者にやらせるのではなく、被写体の動きにただこちらがついていかざるを得ないというような作品を自分でも撮りたいと思っているんです。」(PUBRIC IMAGE.orgインタビューより)

そして、高崎での舞台挨拶時、監督へ伺ってみたところ・・・

「映画を撮る前に必ず観て、これこそ映画だ!
こういう気持ちで撮らなければだめだと気づかせてくれる作品でもあるし、素人の子どもが主人公で、彼らの動きもとても参考になります。
人間としてのあり方として参考になるし、こんな映画を撮りたいなと思って、羨望の眼差しで観ている作品です。私もスクリーンで観たことがなくて、とても貴重な機会なので、ぜひ観ていただきたいです。」

とコメントしていただきました。

もちろん、この作品だけではないはずですが、
そんな作品のひとつを通して、横浜聡子監督の脳みそが覗けたらいいなということで・・・

*『ウルトラ~』公開記念・第2弾*
ヴィターリー・カネフスキー監督作品『動くな、死ね、甦れ!』(1989年/旧ソビエト/1時間45分)
を上映します!

1996年・第10回高崎映画祭「洋画ベストセレクション」にて上映して以来、実に13年ぶりの上映です!そして、総支配人・茂木正男のお気に入りの1本でもあります!

横浜監督は、スクリーンではこの作品を観ていない。と残念そうにおっしゃってましたが、滅多に上映されない貴重な機会です。
スクリーンで観る本作の迫力は凄まじく、まるで、凍てついた極東の冷気が流れてくるかのような感覚に襲われますし、人いきれでむせかえる集会場のシーンではその雑踏の渦に紛れ込んでしまったかのような臨場感を得ました。スクリーンで映画を観る醍醐味とはこのことだ!と、ビデオで観た時と比較して感じました。

物語は、第2次世界大戦直後の極東ロシアの炭坑町が舞台。
そこで暮らす少年ワレルカは、度重なる悪戯で学校を退学させられてしまう。そんな彼を温かく見守り、時に導く少女ガリーヤ。行き場のない少年はただ彷徨い逃げるしかない・・・。そして運命を狂わせる出来事が彼らを襲う・・・。そして、衝撃のラスト!

日々、生きるか死ぬかの闘いという過酷な状況の中、子どもたちの生命のエネルギーだけが突出しているのが印象的です。大人たちは暗澹たる状況に耐えられず発狂したりする中で、子どもたちは、その状況に「無知」な分、目の前の出来事にぶつかりながらも、生きることに真っ直ぐであります。だからこそ、彼らは大人たちよりも逞しく映り、そこから迸る生命力を感じ取ることができるのではないかと思いました。

横浜監督は、雑誌のインタビューで、
「私の作品には、子どもや子どもみたいな大人がよく出てくるのですが、子どもは世界との接し方がすごく面白い。
大人にとっては当たり前のことも全然当たり前じゃないし、他人とか周りのことに対する実験的な生き様というか、それがすごい面白いんです。」(参照:papyrus 24号)

『動くな、』も『ウルトラ~』も子どもたちそして陽人の「世界との接し方」は、際限なく突き抜けていたのです。だから、観ていて斬新であり、爽快なのか!と感じます。

横浜作品に影響を与えた作品をみなさんはどうご覧になるでしょうか?

8/1(土)より1週間限定上映です!お見逃しなく

2本立てではございませんが、続けてご覧いただける時間組みをしております。
ぜひ続けてご覧いただきたいです!
でも・・・この2本を観たら、あまりの衝撃に眠れなくなってしまう可能性がありますので、ご注意を!(笑)

特別料金:一般1,500円/学生1,200円/会員1,000円
『ウルトラミラクルラブストーリー』ご鑑賞チケット(半券も可)ご提示で1,200円

お待ちしております!

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。